第3章 一千億分の八

第3章 一千億分の八

太陽系の果てまで送り込まれた無人探査機は数々の驚くべき発見をした。火星は過去には水の惑星だった。木星の衛星イオでは数百の火山が常に噴煙を上げていた。木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスの氷の下には豊かな液体の水を湛える海があった。発見の裏には、あの「何か」に取り憑かれ、ワシントンに反旗を翻した反抗的な技術者と科学者がいた。