この度「宇宙に命はあるのか」がこの世に産み出される瞬間に立ち会うことができ、幸運に感謝している宇宙船ピークオッドクルー西です。
私は普段、渋谷にあるコスモプラネタリウムで日々、星座解説員として星座やギリシア神話、そして星や宇宙、宇宙開発について語らせていただいています。
渋谷という場所柄、家族連れも多いながら、特に若い世代のデートの方々でお休みの日はとても賑わっています。
日進月歩の宇宙関連の知識を日々アップデートして正確にお伝えするために、多くの書籍やNASAのニュース、ネット上の記事などを読みますが、その中で衝撃的に面白くてすっかり夢中になってしまったのが、小野さんのコラム 「一千億分の八」でした。
それがきっかけでクルーになり、読書会に参加して楽しんでいるうちに、小野さんをはじめ多くの素敵な方々とともに、この本が出版される様子を、目の当たりにすることが出来ました。これは非常に貴重な体験でした。
さて私は、応援の一貫として、また個人的にただただ純粋にオススメしたくて友人知人にプレゼントして皆さんにとても喜んでいただきました。
その中で、二十歳になる知人の娘さんにも贈ろうと思っています。実は彼女とは彼女が赤ちゃんの時に一度、会ったことがあるだけの関係なので、彼女は多分私のことを知らないはずです。
彼女は、中学では生徒会長を務めるなど、元気いっぱいの娘さんだったそう。けれど、高校になって、ある時、ビルの上から飛び降り自らの命を断とうとしたのです。奇跡的に一命をとりとめましたが、それ以来学校からも社会からも距離を置き、ひっそりと家族と暮らしているのだそうです。
彼女が何を経験し何に苦しみ、今何を感じているのか、私はまったくわかりません。ただ、この本をそっと彼女の傍らに置いてあげたい。
小野さんの紡ぐ言葉は、深く本質的で情熱的、そして何より描かれている宇宙そのものの魅力と、そこに魅かれ続ける人類の恋にも似た想い、何とか近づきたいと奔走する人間の物語が本当に面白い。
何もかも忘れて読みふける、そんな夢中な時間を過ごしてくれるといいな。
そして、果てしない広がりを持つ宇宙のただ中で生きていること、そんな宇宙と小さな私たちの命は確実に繋がっていることを、思い出してくれるといいな、そんなふうに思うのです。
広い宇宙からの視点で目の前の世界をとらえると、当たり前の風景がいつもとは違った様相を見せ始めるから不思議です。
自分の中に眠る「何か」に気づくきっかけになることを遠くから祈ります。そして彼女が自分なりのイマジネーションの翼を広げ、自由に生きる時を待ちたいと思います。
小野さんの生き様や言葉は、若い世代の皆さんに「自由に飛んでごらん!」そう訴えられる力があります。
もちろん、年齢を重ねてきた大人のやる気スイッチをオンする効果も絶大なのであります。
ということで、コスモプラネタリウム渋谷でもいつかお話ししてくださいね、小野さん!
その時は皆さまのお越しをお待ちしております。